2005年08月17日

竜の恩返し

ある寒い雪の日、おじいさんは町へたきぎを売りに出かけた帰り、
雪の中に何かが動いているのをみつけました。

「あれは何だろう。」

おじいさんはわなにかかっている一匹のどらごんをみつけました。

「かわいそうに、今助けてやるからな。」

おじいさんはどらごんを助けようとしました。
ところが危険を感じたどらごんはおじいさんに向かって
ありったけの力で炎を吐いてきます。

(ゴオーッ! ゴオーッ!)

「うおっ、あつい!」

おじいさんはちょっと死を覚悟しました。

(ゴオーッ! ゴオーッ!)

「ふ、ふばーは! ふぁいあーうぉーる! あすたりすく!」

おじいさんはどこかで聞いた事のある言葉をとりあえず連呼しました。

(シギャーッ!)

やっとわなが外れました。
幸いおじいさんは皮膚の皮が厚かったので軽傷ですみました。
助けてやると、どらごんは山の方に飛んでいきました。

家に帰ると、おじいさんはその話をおばあさんにしました。

「今日はよいことをした。わなにかかったどらごんを助けてやった。」

すると入口をたたく音がしました。

「だれでしょう。」

おばあさんは扉をあけました。

「あわわわわ…」

大きなどらごんがそこに立っていました。

「…そのまんま来ちゃったかぁ。」

おじいさんは『人間の格好で来る』とかそういうことを期待していたのです。

「あ、あの…どらごんです。」

どらごんは当たり前の事を言いました。
「ていうか普通にしゃべれるのかよ!」という気持ちを
おじいさんがかみころしたのは言うまでもありません。

「わたしが昼間わなにかかって苦しんでいたところを
 そちらの親切なおじいさんに助けてもらいました。
 そこで何かお礼がしたいと思い、こうしてやってまいりました。」

えらい丁寧などらごんである。

「どれ、わしが話を聞こう。」

おじいさんは外に出ました。

「おじいさん、あちらをみてください。」

どらごんは言いました。

「おお、これは…」

そこにはどこかで見た事のあるような剣と
どこかで見た事あるような盾が用意されていました。

「どらごんきらーとどらごんしーるどです。
 これをお礼に差し上げたいのです。」

おじいさんは正直「米とか布とか美女」の方がいいと思いました。

「差し上げる代わりといってはなんですが、
 これを身につけて、おじいさんにはぜひ
 魔王を退治してもらいたいのです。」

(プルプルプル…)

おじいさんは首を横に振ります。
おばあさんに「助けてくれ!」と目で合図をおくりましたが
おばあさんはどらごんと親しげに話すおじいさんをただただ
ほこらしげに見つめているだけです。

どらごんは構わず話を進めます。

「よかった。やってもらえるのですね。」

(プルプルプル…)

おじいさんは露骨に嫌がってみせました。
しかしどらごんは見て見ぬふりをします。

結局、おじいさんは魔王退治をするはめになりました。

「本当に行くんですか? おじいさん」

(コクッ)

不似合いな鎧を着せられたおじいさんは
明らかにひきつった笑顔でこたえました。

「そうですか、どうかお気をつけて…」

おばあさんもどうやらあきらめたようです。

「わたしの背中に乗ってください。」

どらごんは言いました。

「魔王の城までひとっ飛びです。」

『えっ?展開早くない?もっと仲間を増やすとか
 武器をきたえるとかぱふぱふとかそういうイベントないの?』
と、おじいさんはちょっとがっかりしました。

(シギャーッ!)

どらごんは一声あげると、空へと舞い上がっていきました。

「うっ、気持ち悪っ!」

おじいさんは飛行機が離陸するとき上がったり下がったりして
お腹のあたりがスゥーっとなるあの変な感じが嫌いなようです。

こうしておじいさんの長い冒険の旅が始まりました。

どらごんが羽ばたいたときの勢いで
家とおばあさんが吹き飛んでしまったとも知らずに…
posted by Joker at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫才・コント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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